耳抜きのうんちく
このページでは、耳抜きが得意ではない人にある項目についてどいうことなのかを説明しています。 かなりうっとおしく書いてあるかもしれないので、気が向いた人だけ読んでください。
ダイビング前日までにできること
- 体調を整えておく
これは耳抜きというよりダイビング自体に必要なことですが、特に耳抜きは体調に影響されやすいのでしっかり体調を整えておきましょう。
- ダイビング前日は、深酒を避けよく睡眠をとる
これも体調を整えるという意味では、1と同じです。名古屋便や関空便の方は、 早朝到着なので午前中はゆっくり寝て午後からダイビングなんて計画もいいですね。 深酒をしないというのも、体調管理で大事です。寝酒ぐらいなら問題ありませんが、 次の日に残る可能性がある量は避けましょう。
ダイビング当日の潜り始める直前までにできること
- 担当するインストラクターに、耳抜きが得意でないことを告げる
まずは自分の担当するインストラクターにその事実を告げましょう。それを告げておけば、 たいていのインストラクターはそのように対処してくれると思います。 例えば、インストラクターも同じように一緒に潜降してくれ、その時々で水中でアドバイスをくれたり、 また耳抜きが原因で潜ることを断念し、エキジットする場合にすばやく対処してくれるなど。 告げたから耳抜きが出来るようになるわけではないですが、それだけで安心できる場合もあります。 いらない不安要素は、なるべく取り除きましょう。
- エントリー直前までガムを噛む
これはガム自体が効果があるのではなく、ガムを噛む運動(あごを動かす運動)が効果があるのです。 ガムを噛む運動をしていると耳管の周りの組織を暖める効果があります。特に気温が低い時(または体が外気を低く感じる時)など有効です。 水中でもガムを噛むことも出来ますが、ダイビングに慣れるまではお勧めできません。 のどに詰まったり、レギュレーターの排気弁などに詰まると大変だからです。 これと似たようなことで、タオルなどで首周りを覆い首周りも冷えないように暖めておくのも有効です。
- 鼻の中のブツや汁は出しておく
鼻が詰まっていると耳抜きがしづらくなるので、鼻をかるくかんであげましょう。 人前でそんなこと!?とは思わず、やってしまいましょう。大事なのは、見た目ではなく耳抜きがスムーズにいくということです。 ただここで気をつけておいて欲しいことがあります。それは、
鼻は、思いっきりかまない!
ということです。思いっきりかむと、内耳に通じる耳官が腫れて余計耳抜きしづらくなることがあるからです。 やさしくかんであげましょう。また鼻のつまりやすい日は、水面で出しておいても水中ですぐにたまって来ることがあります。 たまってきたら水中でもこの作業をしてあげましょう。マスクの下をちょっとだけ浮かせて、そこから指を突っ込みかるくかんであげます。 マスク内に水が入ると思われるので、マスククリアもしてあげましょう。 マスククリアに自信のない人も、これは必要最低限の鼻かみスキルと思い練習しましょう。 とやさしく書いてみましたが、マスククリアはダイビングの基本なのでこれくらいはできるようになりましょう。 - 潜降する直前に水面で一度耳抜きをする
これは水中での耳抜きを更にスムーズにするために行います。 耳抜きとは、簡単に言うと潜っていく過程で高くなる外側の圧力に対して内側の圧力を同じようにしてあげる作業のことです。 これを潜行する直前の圧力のかからないところ(水面)で、内側の圧力を先に上げておき水中での作業を少し楽にしてあげる効果があります。 また耳抜きの準備運動(耳抜きが出来るかどうかのテスト)にもなります。
潜降中にできること
- 動かないものにつかまる
これは、潜降中に潜降ロープやアンカーロープや岩や壁などの動かないものにつかまりながら潜降していくということです。 耳抜きが得意でなく中世浮力が完璧でない人(インストラクターレベルまで達していない人)は、必ず心がけるようにしてください。 何もつかまらないで耳抜きをしようとするたいていの人は、多少でも沈むか浮くかします。 これを前提に、動かないものにつかまる3つの理由を説明します。
- 沈むと耳が抜けていない場合、余計耳に負担を与え更に耳抜きを困難にするからです。 また浮くとせっかくそこまでがんばってきた耳抜きを浮いた分だけやり直さなければならなくなります。
- 沈むならまだしも息を止めたまま浮かぶのは、肺の過膨張障害の危険があるからです。 ほとんどの人の耳抜きの方法は、鼻をつまんでいる状態で鼻をかむように耳抜きをする方法だと思いますが、 この場合耳抜きの最中だけは息を吸った状態で息を止めています。これが肺の過膨張障害をまねく危険があるのです。 肺の過膨張障害とは、簡単にいうと肺がふくらみすぎて割れるということです。
- 耳抜きに集中できるからです。 これは「沈んでいないか?」「浮かんでいないか?」「流されていないか?」などの不安要素を動かないものにつかまるという行為で、 解消してくれると同時に耳抜きのことだけを考えればよくなります。
- 耳抜きをしよう
まず耳抜きの方法には、いくつかあります。
- 鼻をつまんで鼻をかむように鼻息を出そうとする方法
- (鼻をつまんで)つばを飲む
- (鼻をつまんで)あごを左右に動かす
- (鼻をつまんで)あくびのしぐさをする
- 首を回しながら(又は左右に振りながら)上記のどれかをする
- 片方だけ抜けない時は、抜けない方を上(水面)の方に向かうようにしてもう一度やってみる
- 声を出す
- 呼吸を整える
耳が抜けにくい時は、上記の方法すべてをやってみましょう。鼻をつまむ場合は、鼻息が漏れないように鼻の穴をしっかり塞ぐことが大事です。 片手の親指と人差し指で上手くつまめない人は、両手の人差し指を使ってみましょう。 ただ両手の人差し指でやる時は、潜降ロープに腕や足を絡めたりして体が安定するように工夫しましょう。
1~6に関しては、よく言われることなのであえて説明を省きます。7と8は、 耳抜きの方法の中に書いてありますが、 声を出したり呼吸を整えるだけで耳が抜けるというわけではありません。実際の耳抜きの方法を上手くいかせるための補助的役割です。 ここでは、その7と8の補助的役割になるメカニズムについて説明してあります。
まず「声を出す」というのは、いろんな意味で効果があります。人の脳の中には、右脳と左脳というものがあります。 右脳は人間の理性の部分、左脳は感覚の部分をつかさどります。初心者の場合によくある不安感や恐怖感というのは、この左脳が抱いているものです。 この不安や恐れは、暴走するとパニックにつながることもあります。 またパニックに陥らなくても左脳は、体に「気を付けろ!(緊張しろ)」と命令を出します。 耳抜きの場合、この「気をつけろ!」命令が耳抜きに大事な器官を緊張させ萎縮させてしまいます。 なので左脳が暴走しないように、右脳を使ってバランスをとる必要が出てきます。このバランスをとることが出来る方法が、「声を出す」という行為なのです。 声を出すと、右脳と左脳が連携し右脳が左脳の暴走を抑えてくれます。 これが上手くいけば、不安感や恐怖感をおさえるだけでなく、冒険心や興味心といった本来あるべきすがたへ変換することも可能になってきます。 そういうメニズムがあるため、声を出す時も「耳抜けな~い!」とか「やば~い!」というマイナス思考な言葉よりも 「潜降しま~す!」とか「右耳OK!」とか「左耳がんばってみよ~!」というプラス思考の言葉の方がいいですね。
「呼吸を整える」というのも、気持ちを落ち着かせるには必要なことです。これは詳しく説明しなくても、何となく分かることだと思います。 気持ちが落ち着けば、耳の周辺器官の緊張もゆるんで耳抜きもしやすくなるということです。 - 耳抜きのタイミングは
耳抜きのタイミングは、痛くなる前で耳に違和感を感じた時がベストです。
と言われても、タイミングがつかめていない人にはちょっと分かりづらいですね。 まず耳に違和感を感じる時というのは、耳に妙な圧迫感を受ける時です。 似たような圧迫感だと飛行機に乗っている時や新幹線でトンネルをぬける時の感じです。 ただ水中だと耳の中に水が入っているので、これを違和感と感じてしまう人もいます。 こういう人は、実際は耳が抜けているのに抜けていないと勘違いしていつまでも耳抜きを続けていたりします。 耳に水が入っている違和感と水圧を受けた時の耳が抜けていない違和感を見分ける方法は、少し(50cmぐらい)深く行ってみるとどちらの違和感か分かります。 耳に水が入っているだけの違和感ならその違和感は、変わりません。耳が抜けていない違和感の場合は、さらに違和感が増します。(又はかるく痛くなります) そうやって抜けているのか抜けていないのか判断してみましょう。 この違和感も体で覚えればこんな実験を何回もする必要もなくなるし、すぐに体で覚えてしまいます。
では話をタイミングに戻しますが、このタイミングは個人差がかなりあるので、「違和感の始まったときに」という個人の判断にお任せします。 というとちょっと冷たいので、耳が抜けにくいひとのおおよその目安を書いておきます。水深
- 0m~5m 50cm深く潜るたびに1回
- 5m~10m 1m深く潜るたびに1回
- 10m以上 2m深く潜るたびに1回
潜るたびに1回とは、もちろん1回抜けるという意味です。1回耳抜きの動作をすればいいという意味ではないです。 この表を見ると分かると思うのですが耳抜きにおいて大事なのは、浅いところ特に5m以内です。 この0m~5mの間は、特に無理をせず慎重に耳抜きしましょう。また何度もいいますが、これは目安です。 本当に感覚の部分が多いので、自分にあう目安を体で覚えましょう。次に痛くなった時です。痛くなったと時は、耳抜きが追いついていません。 痛くなった時でも耳抜きをすれば抜けないことはないですが、痛くない時よりも抜けづらいです。 また耳にも大きな負担がかかるので、痛くなった場合は無理に抜かないで少し(1mぐらい)浮上してやり直しましょう。
- うねりがある時は
うねりがある時は、水圧が急に変化することがあるので注意が必要です。 限界ぎりぎりで耳抜きしていると、急に水圧が上がった時に鼓膜を傷付ける可能性もあるので、余裕のある耳抜きを心がけましょう。 その他にもドロップオフの地形だったりすると、ダウンカレント(水底に向かう流れ)などが発生する時があります。 こういった流れがあるポイントでは、いつでも何かにつかまれるようにしておきましょう。 またその時のインストラクターの指示に従いましょう。
ダイビング後
- 次のダイビングがある時
次のダイビングがある時は、飴などで血糖値を上げましょう。ダイビングをすると大なり小なり疲れます。 疲れると血糖値が下がってくるのですが、血糖値が下がると体温低下が心配されます。体温低下すると上でも述べたように耳抜きに不利です。 お昼を挟む時などは、食べすぎはまた問題ですが、まったく食べないというのもよろしくありません。 ダイビングとダイビングの間は、適度に何か食べるようにしましょう。
- 耳かき
耳抜きとは直接には関係ありませんが、耳関係ということで・・・
ダイビング直後に、たまに耳かきをしている人みかけます。ダイビング直後は、耳の中もふやけていてとてもデリケートな状態です。 綿棒などでも耳の中を傷つけてしまうことがあるので、耳がかゆくても海水が入っている変な感じがしてもしばらくは触らないようにしましょう。 「耳の中が、塩だらけになるのはイヤッ!!」という人は、真水で流すだけにしましょう。 - (耳から)水抜き
さらに余談ですが、耳に水が入って出てこないという時は、車のボンネットなどの温かいものに水が出てこない方の耳を下にしておくと、出るらしいです。 個人差があるのでどのくらいで出るかは分かりませんが、試してみましょう。ただサイパンの場合は、 日差しが強いためボンネットに直接だとやけどする場合があります。タオルなどしいて温度調節してください。
それでも耳抜きが出来ないという人は
鼻がよく通るようになる薬や耳官を広げる薬などもあるようですが、もし実際に薬を使用する場合は、
ダイビングをしている(または詳しい)お医者さんに処方してもらった方が無難です。その際には、よく使い方と効果を聞いておきましょう。
というのは、例えば耳抜きが始めは上手くいっていて潜っている最中に薬の効果が切れてしまうと今度はリバースブロックという問題が出てくるからです。
リバースブロックとは簡単に言うと、袋の中に空気が入っていてその空気の通り道がふさがっているので浮上に伴い膨張した余計な空気を外に抜き出せない状態です。
普段は浮上する時には、呼吸しているだけで勝手に耳は抜けていきますが、薬を服用しなければならないような時は、
その効果が切れると炎症などで出入り口がふさがり、呼吸しているだけでは抜けなくなる可能性があります。
こうなると浮上しようとするたびに耳が抜けない痛みが襲ってきて、上がるに上がれない状況になってしまいます。
エキジット前でエアーが少ない状況を考えるとぞっとしますね。
ですが、薬以外でもリバースブロックになる可能性はあります。
そこで万が一リバースブロックになってしまった場合の対処法について触れておきます。
リバースブロックの対処法は、先ほど説明したふさがっている空気の通り道をどうにかしてこじ開けてやることです。
- 浮上の際に痛みを感じたら、まず痛みを感じなくなる水深よりも少し深く潜って鼻をつまんで鼻から空気を出そうとする耳抜きの方法をやってみましょう。
これをやりながら少しずつ浮上していきます。
(通り道の外側から開いてやろうとする方法)
- もしこの方法でも抜けない場合は、また痛みのなくなる水深より少し深く潜り今度は、鼻をつまんで鼻から息を出そうとするのではなく、
鼻をつまんで鼻から吸ってみましょう。これを繰り返しながら少しずつ浮上していきます。
(通り道の内側から開いてやろうとする方法)
- それでも抜けない場合は、普通の耳抜きとこの吸引の動作を一連の動作として交互にやって無理やり抜きましょう。
(内側と外側の両方同時に開いてやろうとする方法)
ただこれはどうしようもない時だけです。
いろいろ書きましたが、それでも抜けない日などもあります。そういう時は、素直にあきらめて無理をしないようにしましょう。 特に耳ではなく眉間が痛くなる場合は、ダイビングは中止して体を休めましょう。






















